【書評】『消費増税では財政再建できない 「国債破綻」回避へのシナリオ』(野口悠紀雄/ダイヤモンド社/1575円)
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政府は消費税の増税を決めたが、それで日本の財政問題は好転するだろうか? 著者の答えは否。その理由を様々な資料を基に解説し、高齢者問題にも鋭く言及する。
〈公平の観点から言えば、相続税こそ介護制度を支える財源になるべきものなのだ。 ところが(中略)「高齢者三経費」(基礎年金、老人医療、介護)を支えるべきものは消費税だと、一般に考えられている〉。
消費税に惑わされることなく、これからの日本を考えるための一冊。
※週刊ポスト2012年2月24日号