国際情報

ロシアでは「海老名」「海老原」などの名前は損をするらしい

外交交渉における語学力は、普通の会話ができればいいというものではない。外務省の最前線で交渉に携わってきた佐藤優氏(元外務省主任分析官)は新刊『国家の「罪と罰」』(小学館)で、その一例を挙げた。

* * *
交渉で必要とされる外国語は、ただ意味が通じればよいという水準では役に立たない。日本政府の立場を正確に、当該国の知識人が用いる外国語で表現する能力が必要だ。同時に、相手が言うことを瞬時に正確に理解する反射神経が求められる。

例えば、ロシア人が「率直かつ実務的に話をしたい」と言えば、それはけんか腰になるという意味だ。また、日本の国会議員で「私は日本のナショナリストです。あなたもロシアのナショナリストです。お互いに自国を愛するという気持ちを大切にしたい」と発言した場合、ロシア語に慣れていない通訳が、「ヤー・ナツィオナリスト(私はナツィオナリストです)」と訳すと意味が曲がって伝わってしまう。

ロシア語のナツィオナリストは、英語のナショナリストではなく他民族を侮蔑し排除する排外主義者という意味だからだ。この場合、国会議員の発言は「ヤー・パトリオート(私は愛国主義者です)」と訳すべきだ。

ロシア語でパトリオートという言葉には否定的意味がないからだ。また、発音上、公式の席では避けなくてはならない言葉もある。例えば、「海老」だ。ロシア語の「エビ」は「オマ×コする」という意味だからだ。従って、「海老名」とか「海老原」という名字の外交官がロシアに赴任すると損をする。

※『国家の「罪と罰」』より抜粋

関連記事

トピックス

11月14日に弁護士を通じて勝田州彦・容疑者の最新の肉声を入手した
《公文教室の前で女児を物色した》岡山・兵庫連続女児刺殺犯「勝田州彦」が犯行当日の手口を詳細に告白【“獄中肉声”を独占入手】
週刊ポスト
宇宙への憧れを持つ大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平が抱く“宇宙への憧れ” 野口聡一さんに「宇宙人っていますか?」と質問、チームメイトと宇宙談義に花を咲かせることも
女性セブン
チョン・ヘイン(左)と坂口健太郎(右)(写真/Getty Images)
【韓国スターの招聘に失敗】チョン・ヘインがTBS大作ドラマへの出演を辞退、企画自体が暗礁に乗り上げる危機 W主演内定の坂口健太郎も困惑
女性セブン
第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン