戦後、日本文化禁止政策下の韓国で、日本の歌は密かに韓国人に愛されていた…。K-POPブームの仕掛け人が日本の歌にどう影響を受けてきたか。『K-POP 遙かなる記憶』(田 月仙、小学館・1470円)は、コリアン二世の著者がK-POP-の裏側に迫るノンフィクションだ。この本を、3人の本好きに読んでもらい、感想を述べてもらった。
小説よりもエッセイが好きなOLのカオリさんは、
「いまのK-POPの舞台裏、韓国音楽界の歴史に肉薄し、かなりの読み応えあり。かつて韓国では日本の音楽が禁じられていたにもかかわらず、韓国人たちは海賊版を買ってでも安全地帯ら日本の音楽を愛していた。音楽はまさに国境を超え、人と人をつなぐ懸け橋。
BIGBANGのT.O.P.が『ブルーライト・ヨコハマ』が好きなど、ファンならずとも興奮間違いない一冊だ。K-POPファンならぜひ読んで!」
1児の母である40代のルミさんは、こう語る。
「最近、K-POP の質の高さに魅了されているが、その華やかさの裏には日本と韓国の歴史など、忘れてはいけない真実があると気づかされた。
日韓には難しい問題も多い中、『冬ソナ』のユン・ソクホ監督の“外交官もできない仕事を文化的なコンテンツでやりとげたんです”という言葉がとても印象的だった。日韓から素敵な音楽が生まれることを望んでやまない」
月に30冊以上読むというライター・コンさんは次のように話す。
「全然知らなかった。往年のヒット曲、いしだあゆみの『ブルーライト・ヨコハマ』が、当時、日本の歌が禁じられていた韓国で爆発的な人気だったなんて。そもそも戦後の韓国で、なぜ日本の文化が厳しく統制されたのか、この本を読むまで詳しく知らなかった。
そして、音楽の力は政治の壁を超えて人の心をとらえることに感動。日韓の音楽シーンの知られざる側面を丹念に取材した硬派なノンフィクションだ」
※女性セブン2012年3月1日号