心臓・冠動脈のバイパス手術のため、17日に東大病院に入院された天皇陛下。天皇陛下が心臓手術を決断された背景には、公務に対する強い思いがあったとされる。ご学友の橋本明氏は、陛下のお体を気づかいつつ、こう語る。
「お体が快復されれば、すぐにでも今まで通りのご公務にお戻りになりたいとお思いなのでしょう。特に東日本大震災以降、日本が大変な危機的状況にある中で、陛下は亡くなった方々への慰霊と、復興に向かって頑張ろうとしている国民に元気を与えることを第一にお考えになってきた。それは陛下自身が考える天皇の在り方なのだと思います」
そうした陛下の思いは手術日程にも表われているという。宮内庁関係者は、日程については天皇のご意向が強く働いていたと明かす。
「陛下は3月11日の震災一周年追悼式へのご出席を強く願われていた。そこで医師団は陛下のお気持ちを尊重し、18日がご出席に間に合うデッドラインとのことで手術日程を決めた」
心臓バイパス手術の場合、順調なら約2週間の入院、その後1週間の静養で日常生活に戻れる。逆算すると確かに、この日がギリギリの日程であることがわかる。
さらにはその先のイギリス訪問もご考慮されていると見るのは、皇室ジャーナリストの神田秀一氏である。
「6月のエリザベス女王の即位60周年記念式典に出席したいとのご意思が強いと聞いています。陛下は1953年の戴冠式に昭和天皇の名代として出席され、40日余りイギリスに滞在しています。その間、英国王室との交流を深められ、非常に思い入れが強い。しかも昨年のウィリアム王子の結婚式には、東日本大震災の影響で欠席せざるを得なかった。だから今回は是が非にも出席したいというお気持ちなのでしょう」
※週刊ポスト2012年3月2日号