米寿を迎えたいまも、多数の料理教室の生徒をかかえ、テレビや雑誌に引っ張りだこ。上品かつ軽妙な語りとともに和の家庭料理を伝える“登紀子ばぁば”こと、料理研究家の鈴木登紀子さん(88)。そんな鈴木さんが食事のマナーについて助言を送ってくれた。
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お食事のときは、まず器を掌にのせてから箸を取る。手皿はいけませんよ。汁が垂れるものは、必ず小皿に受けていただきなさい。それから大皿料理は、「お先に失礼します」といって、自分の分だけ取ること。人さまの世話を焼いて粗相があったら、どうしますか……。
そうそう、お椀をいただいた後、蓋を裏返して戻すかたがいらっしゃるけれど、これも絶対にやめてくださいませね。この間、お教室の後にひとつ、どうやっても取れなくて、大層苦労いたしました。
また、最近気になるのが、若いお嬢さんのおそばの食べ方です。長い髪を片手で押さえながら、おそばをたぐるようにいただく姿をよく目にしますが、髪が邪魔になるのであれば結わえましょうね。音を立ててのお食事はご法度ですが、おそばだけは、スルスルッとすする音も、ごちそうのうちですよ。
※女性セブン2012年3月1日号