働き盛りの突然死、生命保険のトラブルも少なくない。生命保険を受け取るにあたって何に気をつければいいか。保険評論家の大地一成氏が指摘する。
「死亡保険金を請求しても『告知義務違反』の場合は支払われません。特に病死の場合、保険会社は契約時にさかのぼって、持病を抱えながら通院していなかったかを徹底して調べます。契約時に高血圧の薬を服用しているのを黙っていたことが判明し、契約破棄となり1円も支払われなかった例もあるくらいです」
最近は加入条件や年齢のハードルを下げて勧誘する保険が目立つが、よく内容を確認するだけでなく、掛け金を無駄にしないよう、正直に申告して契約しよう。
ただ、大手保険会社の社員は、こんな裏技を耳打ちしてくれた。
「遺族が抗戦の構えをみせ、裁判に持ち込むといわれたら、そっちにかける時間がもったいないので、保険金の一部を出して示談にしちゃうこともあるんですよ」
とはいえ、条件を満たせば生命保険金は意外なほど早くおりるようになった。大地氏もこの点を認める。
「1週間から10日で保険金を払うようになりました。手付金ということで、翌日に300万円くらい振り込む保険会社もあります」
前出の保険会社社員が再びそっと教えるところでは――「数千万円を振り込むと同時に、すぐ遺族のところへいって、『急に大金が入っても運用に戸惑うでしょう。毎年払いの年金型の保険にするのが上策です』としっかり営業をかけます」
※週刊ポスト2012年3月2日号