2月20日、光市母子殺害事件の大月孝行被告(30才)の死刑が確定した。惨劇から13年──遺族の本村洋さん(35才)は会見で、こう思いを語った。
「死刑判決が下されたことに大変満足していますが、喜びの感情は一切ありません」
そんな本村さんは、2年ほど前に再婚して、光市から少し離れたところに新居を構えて新たな生活をスタートさせているという。
「奥さんは7才年上の同じ会社の同僚だそうです。趣味のテニスを通じて仲良くなったそうですよ」(本村さんの知人)
犯罪被害者学専攻で、本村さんと交流のある常磐大学大学院の諸澤英道教授が祝福の言葉を寄せる。
「本当に長い裁判でした。本村さんは妻と娘を思いながら、つらく苦しい日々と闘ってきました。ぶつけようのない怒り、そして寂しさのなかで、彼の気持ちを理解し、ずっと支えてきたパートナーの存在は実に大きなものだったことでしょう。再婚され、共に生きていく人を見つけられたことを祝福したいと思います」
殺害された弥生さんと夕夏ちゃんの命日には、再婚した妻とともにふたりの墓前を訪れ、手を合わせるという本村さん。会見の終了間際にこう語った。
「被害者がいつまでも事件のことを引きずって下を向いて生きるんではなく、事件のことを考えながらも前を向いて笑って、自分の人生をしっかりと歩んでいくことが大事だと思います」
死刑確定翌日、本村さんは本誌の取材に電話で一言だけ答えてくれた。
「昨日の共同会見でお話しさせていただいた通りです。妻の支え? それはもう普通にしてくれているだけですよ」
※女性セブン2012年3月8日号