白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によれば、「早食いは太る」は事実だという。以下、白澤氏の解説だ。
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「早食いは太る」といわれるが、食事を速く食べると満腹感を生じる前に食べ過ぎ、結果としてカロリーオーバーになってしまう。そこで、食べる速さと肥満傾向を示す指数「BMI」を比較・検討すると、「かなり速く食べる」男性はBMIが1.47ポイント高く、逆に「かなり遅く食べる」男性はBMIが0.99ポイント低かった。
摂取エネルギーで補正しても同じ傾向が認められたことから、国立長寿医療研究センターの大塚礼栄養研究室長は「早食いの人は沢山食べて太る傾向にあるが、同じエネルギーを摂取した場合でも太りやすい傾向を示している」と指摘している。つまり、「ゆっくり食べる」と、体の中のメタボリックドミノの進行が止まり「太りづらい体質」になることが確認されたのだ。
※週刊ポスト2012年3月2日号