本格化してきた2013年度の新卒採用。 作家・人材コンサルタントの常見陽平氏はモニター調査で学生たちのエントリーシートを読んだり模擬面接を通じて、「やりたいこと、好きなことより、自分に向いている就活を」とアドバイスを送る。
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例年より遅れて始まった2013年度の新卒採用ですが、2月に入り本格化してきました。期末試験も終わり、学生の皆さんも本格的にアクセルを踏み始めました。説明会にエントリーシートの提出と、学生の皆さんも人事担当者も大忙しのようです。
学生さんは日々、就活に追われていますが、人事担当者も大変です。人事部は事業部門に「残業や休日出勤を減らすように」と呼びかけていますが、その人事部の採用担当はこの数カ月は残業、休日出勤の嵐です。・・・私も現役時代は22日連続出勤したことがあります。死にそうになりました。
毎年のことですが、就活初期段階の学生は「考えが甘い」のが当たり前。こう書いた瞬間に「若者はかわいそうだ!」と言い出す人がいるわけですけど、人事のドライな立場から言うならば、働く覚悟のある学生を採りたいわけです。
弊社の方で、学生のモニター調査を兼ねて学生のエントリーシートを読んだり、模擬面接をしたりという活動をしているのですが、正直なところまだまだですね。初期段階だからしょうがないとはいえ、エントリーシートは日本語として成立していないこともよくある話です。さらに、毎年のこととはいえ、「○○が大好き」「○○に関わりたい」「○○を実現したい(根拠のない夢)」など、好き、憧れだけの志望動機もよく見かけます。
学生と社会人の違いは、何にしても自分の都合だけでなく、相手ありきだということです。もちろん、滅私になりすぎてもパフォーマンスが低下してしまうのですし、最後は好きという感情、熱が必要なのですけどね。「相手にとってどうなのか?」「自分がやる意味は何なのか?」「自分を採って相手が得をするのか?」という観点を加えるだけでだいぶ変わるものです。
憧れだけで業界、企業、職種を選ぶのは早めに卒業しましょう。求められる力がないと選ばれないわけですし、入った後がきついですよ。
「昔からのあこがれで、どうしてもCA(キャビン・アテンダント)になりたいんです」「幼いころからワンちゃんが好きで、だからどうしてもペット業界に行きたいです」
特に女子大生を中心にこんな声を聞きます。CAはともかく、「ワンちゃん」と言い出したのにはひっくり返りそうになりましたが。私はその度に、よく考えるようにアドバイスします。
特にCAの場合は先輩を紹介する、厳しい現実を話すなどしています。憧れる気持ちはわかりますけど、対人コミュニケーションが苦手、臨機応変に対応できないなど、明らかにむいていない人もいるわけです。気づいてもらえるように仕向けます。
やりたいこと、好きなことよりも向いていることに気づくと就活は劇的にうまくいくのですけどね。今年は就活のスタートが遅かったので、それに気づくのが遅くなることを人事も大学も懸念しております。
そうそう、悩める皆さんを応援すべく、就活を終えた先輩たちが考えたノウハウ、ヒントをまとめた本『困ったときに本当に使える就活のヒント100』(マガジンハウス http://www.amazon.co.jp/dp/4838723997/)を発表しました。常見陽平責任編集です。困ったとき、悩んだときに手にとってくださいね!