二つ折り式の、もしくは小さな画面のストレート式の携帯こそが絶滅危惧種のガラケー。世界標準とは異なる日本独特の携帯電話で、自嘲気味に“ガラパゴス携帯”と呼ばれたものだ。このガラケーがもうすぐ姿を消し、スマートフォン(スマホ)が取って代わろうとしている。
MM総研の調査では、2011年度上期のスマホの出荷台数は前年比4.5倍の1004万台で、携帯と合わせた総出荷台数の49.5%を占める結果となった。2112年度のスマホの出荷台数は2367万台で総出荷の60.1%と、単年度の出荷台数では初めてスマホが過半数を超えると予測している。
そうした流れはすでに始まっており、パソコン教室やカルチャーセンターなどでは、中高年や高齢者を対象にしたスマホ教室が大人気になっている。
「画面を指でなぞってください!」
「はい、皆さんタップしましょう」
都内のカルチャーセンターで行われていたのは、『中高年のための楽しいスマートフォン教室』と題された講座。受講生の多くは高齢者や中高年の主婦で、講師の声に合わせ、たどたどしい手つきで人差し指をスマホの画面上で動かしていた。
定員24人がすぐに満席になり、キャンセル待ちが出るほどの人気というこの講座は、NHK文化センター練馬光が丘教室(東京・練馬区)で行われていた、中高年を対象にしたもの。受講したAさん(60代主婦)は、夫とふたりで参加した。
「スマートフォンのCMも多くて、若い人が使っているのを見て興味を持ちました。はじめは難しそうだったけれど、インターネットをやるのは携帯よりも便利ですね。70代、80代になったときでも音声でメールが作成できるのはすごくいいと思いました」(Aさん)
こちらの講座では、携帯電話会社のスタッフ4人が、スマホの基本的な操作方法から、インターネットに接続した地図検索やメール作成など基本的なアプリの使い方を指南している。
受講者は、貸し出されたスマホを手に、講師の説明を聞きながら操作を行っていたが、休憩時間にもスマホの操作を続ける熱中ぶり。慣れないながらも、楽しそうにスマホを触っている人が多かった。
「外出先でもパソコンと同じようにインターネットが使えるのがいいですね」(50代主婦)
「指で文字を拡大できたり、音声で操作できるのにはビックリです。あと何度か講習を受けて、使える自信が持てたらスマホを買いたいです」(60代主婦)
など、実際に使ってみてスマホの便利さを実感した人が多いようだ。
※女性セブン2012年3月8日号