プロ野球も開幕まで約1カ月。各チームに張り付いている番記者からは興味深い情報が寄せられている。こちらは今や巨人をも上回る注目を集める阪神タイガース。その火種は、ベテラン城島だ。野球に詳しい記者やジャーナリストが対談を行った。
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スポーツ紙デスクA:「張り切っているといえば阪神のベテラン、城島健司が気を吐いている。ただ、これが波紋を呼んでいる」
在阪スポーツ記者B:「膝の状態から捕手起用が難しいため、城島は一塁の練習を始めたんですが、城島が使ってるのは新井貴浩のファーストミットだった。これを見て落ち込んでいるのが若手の大和です。和田豊監督からは、『今年から新井を一塁、空いた三塁はお前だ』といわれ、大和は張り切っていた。だが、城島が新井のミットを持っているということは、新井は一塁の練習はしない。結局、自分の出番は今年も三塁の守備固めか……となったわけです」
ベテランスポーツジャーナリストC:「一塁を争うブラゼルは城島に明らかに敵意をむき出しにしている。コメントを求められて、『オレは出来高年俸だから出ないと意味がないんだ』と吐き捨てている。通訳が機転を利かせて、『頑張ります』と短く訳していたけど、その時の不機嫌な顔を見れば、英語がわからなくても本心はバレバレでした(笑い)」
スポーツ紙記者D:「今、ナインの間には変な噂が広がっている。『城島の契約内容にはスタメン起用が確約されている』というものです。キャンプの第1クール最終日には、城島が外野の練習も始めたので、今じゃ外野のポジション争いをする選手もピリピリしています」
野球専門誌記者E:「出場が危ぶまれている金本知憲まで機嫌が悪くなったもんね。まァ、70メートルの遠投力じゃ、そもそもお話にならないけど」
B:「でも、膝の悪い城島と肩の弱い金本が外野を守り、サードに18失策でリーグ1位の新井となれば、投手陣は職場放棄をしかねません。ルーキーの伊藤隼太が外野から矢のような返球を見せるだけに、和田監督も頭が痛い」
※週刊ポスト2012年3月9日号