5%という数字を被災者はどう捉えているのだろうか──。
環境省の発表によると、岩手、宮城、福島3県の沿岸市町村で発生した2252万8000トンの瓦礫のうち、処分が済んだのは117万6000トン(2月20日現在)のみ。震災から1年が経とうとしているが、わずか5%しか処分は完了していないのである。
大量の瓦礫は被災地だけでは処分できず、広域処理が不可欠。だが、“震災瓦礫”は種類や地域を問わず一様に放射能汚染が不安視され、各自治体も受け入れに二の足を踏んでいる。
静岡県島田市のように独自に汚染度を調べるなどして受け入れを検討する自治体も少なくはないが、これまでに受け入れが決まったのは、山形県、青森県の東北地方以外では東京都だけにとどまっている。
車や家電、布団に衣類と粛々と仕分けされる瓦礫――。行き先が決まらず、山積みされるだけの現状が、復興の難しさを物語っている。
写真は宮城県気仙沼市の瓦礫だ。多くの造船所を抱える気仙沼市では船から重油が流れ、発火が相次いだ。そのため、瓦礫として処理された自動車にも燃えて赤い鉄屑となっているものが目立つ。同じ自動車でも、燃えているものといないもので、仕分けされていた。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2012年3月9日号