冬~春に多く発症するノロウイルス感染症。今年も2月に岐阜県の老人施設で29人が発症、うち3人が死亡した。嘔吐・下痢がおもな症状で、風邪やインフルエンザと間違うこともある。命に関わるノロウイルスだが、いったいどう対処すればいいのだろうか。
発症は、【1】ノロウイルスに汚染された食品や、汚染された人の手で調理された食品を食べる、【2】ノロウイルスに感染した人の体や便・吐瀉物に接触した後の手洗い不足、【3】ノロウイルスに感染した人の下痢や吐瀉物から飛び散ったウイルスを含む飛沫を浴びたり吸いこんだりする、のいずれかが感染する要因。
また、風邪との違いを見分けるひとつのポイントは、発熱。嘔吐と下痢のみで発熱がなく、前出の要因に心当たりがあればノロウイルスの可能性大。国立感染症研究所・感染症情報センター主任研究官の安井良則さんはこう説明する。
「病院に行っても有効な治療薬はないので、大人なら家で安静にしながら水分補給をし、状況に応じて吐き気止めや整腸剤を服用したほうがいいでしょう。ただし、下痢止めはウイルスが体外に出るのを妨げてしまうため、服用はさけるように」
もし、家族や自分がノロウイルスの感染した場合、吐瀉物はどう処理すればいいのか。
「吐いてしまったものなどは塩素系消毒剤で消毒しましょう。『ミルトン』など次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使用し、吐いたものを取り除いた後の場所をしっかり消毒するのがいちばん。取り除いた吐瀉物はビニール袋に密封してから破棄してください。『キッチンハイター』など、塩素系の漂白剤でも代用できます」(安井さん)
下痢した後の便器も、通常の掃除のあとに『ミルトン』に浸した掃除用のペーパーなどで拭いて消毒するといい。
※女性セブン2012年3月8日号