いくら不況とはいえ、テレビ局は膨大なお金をかけて、番組を作っている。昨年放送されたドラマ『南極大陸』(TBS系)は1話当たり数千万円の制作費だったというし、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)はその4分の1ほどの金額で制作されたそうだが、4ケタは軽く超えているという。
昔と比べれば下落しているとはいえ、ゴールデンタイムのバラエティ番組も潤沢な予算がある。だが、ベテラン芸能人になると、いくらギャラを積まれても、番組出演依頼に首を縦に振らない場合も多いという。
「若手は、どんどんテレビに出て名前を売る必要がありますが、ある程度、名が知れてしまえば、テレビより“営業”のほうが格段においしいですからね」(芸能関係者)
イベントの司会やゲスト、パチンコ店などで行なう“営業”はテレビ出演よりも、多額のギャラをもたらしてくれるのだ。
「『付き合いがあるから今回は安くしますよ』など、ほぼ言い値で決まるので、一概にいくらとは言えませんが、テレビ出演よりもギャラは高い場合が多いですし、時間も短い。パチンコ店でのイベント出演などであれば、1回100万円だったりもします。テレビなら収録が数時間に及ぶこともよくありますが、営業ならそんなに長くかかりません。また、地方営業となれば、アゴ・アシ・マクラ(食事・交通費・宿泊費)もついていますし、半分旅行みたいなものですよ」(同前)
要するに、テレビ出演よりも営業のほうが格段に“おいしい仕事”なのである。
「ただし、問題はバランス。テレビにも忘れられない程度出ておかないと、『あの人は今』状態になってしまいます。そうすると、営業のギャラも安くなりますし、オファー自体がこなくなります。『自分がどう扱われるか』を見極めて、プラスになると思えば出ます。当たり前のことに思われそうですが、若手なら事務所がゴリ押しで入れて、選択権はないですからね」(同前)
芸能人のゴールのひとつはテレビ出演ではなく、営業人生にあるのかもしれない。もうひとつのゴールともいえる「CM出演」についてはまた今度。