いまだ先行き不透明な米国経済、混迷の度を深めるユーロ危機、そして世界の工場であり巨大消費国として急成長してきた中国の急ブレーキ……。世界経済を黒く厚い雲が覆う中でも儲けている投資家はいる。彼らはいかに世界経済を読み、勝ち抜いているのか。
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今、世界経済を大きく左右しているのは、米国経済と、ギリシャ債務問題に端を発したユーロ危機の動向だ。その先をどう読むかによって戦略は変わってくる。
毎月100万円以上のペースで利益を出し続けている女性投資家の鳥居万友美氏は、欧米の経済動向について、“改善の芽”が出始めたと見ているという。
「米国は、大統領選を控え、様々な景気対策を実施し、雇用状況の改善を図るでしょう。その結果、目先は回復に向かうと読んでいます。
また、欧州債務危機は、全体的な相場環境を見ていると、悪いニュースには反応せず、良いニュースが出ると素直にユーロ相場や株価によい影響を与えるようになってきています」
『あの4億円脱税主婦が教えるFXの奥義』(扶桑社刊)などの著者で、トレーダーの池辺雪子氏も、底は打ちつつあると分析している。
「米国は超低金利政策を2014年まで続けるとしていますが、データを見る限り失業率などは改善傾向にあります。
ユーロ問題についても、危機は過ぎ去りつつあると見ています。クロアチアやトルコなどが新しくEU加盟を検討している現状ではユーロ崩壊の可能性は低く、まもなく回復の兆しが見えてくると考えています」
ただし、この2人とも、「実際の取引にあたってはチャートを重視し、世界経済の予測は参考程度の判断材料にしている」とか。
「例えばチャートで売りサインが出ている時に、ユーロにとって悪い材料が出そうだと予測できれば、強気で売り注文を出すというようにして投資成績を上げるようにしています」(鳥居氏)
※SAPIO2012年3月14日号