ライフ

急増する「永代供養墓」墓石なしでインターネット墓参りも

 3月は、最もお墓への意識が高まり、墓地や墓石が売れる春のお彼岸の季節。最近は、スタンダードな“お墓”から自然に還る“自然葬”まで、お墓&埋葬法の選択肢もグッと増えている。いまや、お墓は自分で選ぶ時代、お墓について考える活動、“墓活”に真剣に取り組む必要があるのだ。

 とはいうものの、お墓とはいったいどういうものなのか、その基本がいまいちわからないという人も多いはず。そこで、お墓・葬儀のスペシャリストでNPO法人ライフデザイン研究所の副理事長・佐々木悦子さんに一般的な“お墓“についてきいた。

「現在の日本にいちばん多い、先祖代々継承していくタイプです。“家墓”と“両家墓”があり、承継者(祭祀財産を継ぐ者)がいなくなった時点で、お墓の契約は解消されます。承継者は“直系長男”の認識が根強い一方、最近は長男以外の家族や親戚が承継する例も増加。ただし、トラブルを防ぐため、承継者はひとりと決まっています」

“家墓”とは1家族が代々承継していく最も一般的なお墓で、“両家墓”とは夫婦の親をひとつの墓に埋葬して承継するお墓だ。

 そして、最近増えているのが“永代供養墓”というタイプだ。佐々木さんはこう説明する。

「承継者がいない人や、承継を望まない人からのニーズが高いスタイルが“永代供養墓”。なかでも、墓石という形にとらわれない人には“納骨堂”が人気です。三十三回忌(32年)を過ぎると、他人の遺骨と合わせて埋葬(合祀)されることが一般的です」

 ひと言で“永代供養墓”といっても、形態はさまざま。ライフスタイルの変化で生まれた埋葬法は、次の5通りだ。

【単独墓】個々に対して、墓石を立てる
 ・個人墓→ひとりではいるためのお墓
 ・夫婦墓→夫婦ふたりだけのお墓

【集合墓】碑となる墓石などはひとつ。大勢の遺骨が一緒に収蔵されるお墓
 ・合葬墓→骨壺ごと、納骨棺(カロート)に安置するタイプ
 ・合祀墓→骨壺から遺骨を出して、他人の遺骨と一緒に納骨棺に収蔵するタイプ。

【納骨堂】墓石を建てず、屋内外の収蔵庫に骨壷を安置する方法

 納骨堂の場合には、インターネットでアクセスし、パソコンの画面に現れた骨壺に向かって参拝するという、ユニークな仕組みも登場。お墓が遠くて頻繁に参拝に行けない人にとっては、手段のひとつといえるだろう。

※女性セブン2012年3月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

教室内で恐ろしい事件が(左は現場となった法政大多摩キャンパス内にある建物、右は教室内の様子)
「女子学生の服が血に染まって…」「犯行直後に『こんにちは!』」法政大・韓国籍女子学生が“ハンマー暴行”で逮捕、学友が語った「戦慄の犯行現場」
NEWSポストセブン
たぬかな氏から見た弱者男性とは
「弱者男性はブス女性よりも生きにくい」元プロゲーマーたぬかな氏が断言した「弱男」の厳しい現実とヒエラルキー
NEWSポストセブン
東大生は“万能”と思われがちか(写真/イメージマート)
「東大生ならフランス語もベラベラなのが当たり前!?」富山出身・東大法学部卒YouTuber 入学後「第二外国語」の授業で感じた都会との格差
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン
ドジャースでは多くの選手が出産休暇を取っている(USATodaySports_ReutersAFLO)
大谷翔平、第一子誕生へ 真美子夫人の出産は米屈指のセレブ病院か ミランダ・カーやヴィクトリア・ベッカムも利用、警備員増員などで“出産費用1億円超え”も
女性セブン
公式サイトを通じてコメントを発表した中居正広
【入手】中居正広の女性トラブル謝罪、フジ港社長が全社員に送った“決意表明メール”「温かい会社でありたい」「全力で皆さんを守ります」
NEWSポストセブン
大谷翔平が真美子夫人の妊娠を報告したことも話題に(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平の2025年》「二刀流」復活へ向けて“失敗しないプラン”とは?「登板間隔は2週間に一度」「佐々木朗希とカバーし合う体制」【岡島秀樹氏×福島良一氏対談】
週刊ポスト
VIP席の一角に中居正広の姿が
《沈黙から20日間…》追い込まれた中居正広が「553文字」お詫び文を突如掲載した背景「トラブルがあったことは事実」「私のいたらなさ」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
《覆された引退説》「本人というよりかはスタッフのため」中居正広が芸能活動の継続を示唆、モチベーションの“源泉”は
NEWSポストセブン
山口組抗争は10年に及ぶ(司忍組長。時事通信フォト)
ラーメン店長射殺から宅配ヒットマンまで事件多発の「山口組分裂抗争10年」、収束には一方的な「抗争終結宣言」しかない【溝口敦氏×鈴木智彦氏が予測】
週刊ポスト
レギュラー番組に深刻な影響が出ている中居正広
【全文公開・前編】中居正広、深刻トラブルの後始末 『金スマ』収録中止、『世界陸上』リポーター構想は白紙…『だれかtoなかい』は代役に香取慎吾を検討か
女性セブン
第49回報知映画賞授賞式で主演女優賞を受賞した石原さとみ
石原さとみの夫が経済紙に顔出しで登場 勤務先では幹部職に大出世、複数社で取締役を務め年収は億超えか 超スーパー夫婦の‘秘策”は瞑想
女性セブン