白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によれば、睡眠の質とEDとには、深い関係があるという。以下、白澤氏の解説だ。
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血中のテストステロンの濃度が低下すると、男性としては甚だ困った症状が出現する。ED(勃起不全)はその最たる兆候だ。
テストステロンを維持するためには良質の睡眠が必須であることがわかったのである。睡眠中は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を一定の周期で繰り返していることが知られている。
健康な男性は「レム睡眠」中に勃起していることが多く、平均すると一晩に8回くらい繰り返す。そして最後の「レム睡眠」の後、目覚める直前に起きるのが「朝勃ち」なのだ。
朝勃ちは、性的な興奮とは別モノの生理的現象だが、EDになると朝勃ちが起こりにくくなる。
※週刊ポスト2012年3月9日号