ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子など、様々な分野の論客が、毎号書き下ろしの時事批評を寄稿する『メルマガNEWSポストセブン』。本サイトでは、3月2日に配信された5号に掲載されている「櫻井よしこの今週のオピニオン」を特別に全文公開。2回目の今回は、櫻井氏が中国の北朝鮮への食糧支援について物申す。
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昨年十二月の金正日死去後、正恩氏は最重要課題として国民への食糧配給を掲げた。しかし、北朝鮮の食糧不足は少なく見積もっても百万トンである。国民を餓えさせず、曲がりなりにも食べさせるには、不足分を調達しなければならない。自力生産は絶望的で、他国の援助に頼らざるを得ない。
正恩氏は食糧確保を最重要課題として掲げると同時に、昨年十二月三〇日、全国民に外貨使用禁止令も出した。北朝鮮で外貨といえば中国人民元であり、使用禁止令は明らかな中国への抵抗である。中国の影響力の強化と浸透するばかりの経済による実質的支配を阻止したいと、正恩氏が考えているのは確かであろうが、喫緊の課題である食糧支給は他国の支援なしには到底出来ない。
民主主義国である日米韓にとって、核、ミサイル、拉致などの問題を抱え、一向に態度を改めようとしない北朝鮮への援助は難しい。だが、一党支配で、相手国の政治状況について関心のない中国には出来る。彼らには事実、どんな不条理なことも出来るのである。それがいま、眼前で起きている食糧支援である。
(続く。次回は3月6日火曜日午前7時に公開予定)
※上記の記事全文は現在配信中の『メルマガNEWSポストセブン』5号で読めます。