今年もさまざまな予想が飛び交うなか、授賞式が行われた第84回アカデミー賞。ハリウッドの黄金期をモノクロとサイレントで描いた『アーティスト』が作品、監督、主演男優などの5部門を受賞した。そんなアカデミー賞に関する素朴な疑問を紹介!
そもそも一体アカデミー賞は誰が選んでいるのか?
アカデミー賞は、米国内の映画界で働く俳優、監督、カメラマン、脚本家、プロデューサー、衣装デザイナーなど映画製作の関係者からなる映画芸術科学アカデミー(ハリウッド)の会員約6000人の投票により、毎年1回、選ばれる。
アカデミー会員は自薦・他薦により、申請ののち、協会に承認されればなれる。アカデミー賞にノミネートされた人には推薦状が送られることも多く、渡辺謙(52)は、『ラストサムライ』(2003年)での助演男優賞ノミネートが会員承認に大きく影響し、会員になれたとか。他に衣装のワダ・エミ(74)なども会員だ。
前年度にロサンゼルス郡内の映画館で、連続7日間以上有料で公開された40分以上の映画で、劇場公開以前にテレビやインターネットなどで放映されていない作品。以上の条件を満たした映画作品がノミネートされ、作品賞ほか最大で25部門が選定される。受賞者に賞金はなく、副賞としてオスカー像が贈られる。
他の賞とアカデミー賞の違いだが、カンヌやヴェネチアなどの国際映画祭で上映される映画は、未公開作品が基本。アカデミー賞は、前年に上映された映画に与えられる賞。
また、アカデミー賞の前哨戦といわれているゴールデン・グローブ賞は、前年に上映または放送された映画やテレビドラマに与えられる賞だが、ハリウッド外国人映画記者協会に所属する会員約90名により選ばれる。ちなみにアカデミー賞の全米視聴者は3700万人程度。NFLスーパーボウル中継(これは1億人程度)に続いて2番目の高視聴率番組だそう。
最後に、「オスカー」の名の由来については複数説があるが、ジャーナリストのシドニー・スコルスキーが第6回授賞式で書いた「オスカー君はヘップバーン(キャサリン・ヘップバーン)へ」が、オスカーの名を初めて文字にした、最古の記事といわれている。
※女性セブン2012年3月15日号