前原誠司・民主党政調会長が「言うだけ番長」と産経新聞から評されたことが話題となった。そんななか、野田内閣が始めた社会保障・税一体改革の全国行脚が「明日の安心」キャラバン。
その行脚で党内バトルを演じたのが紅一点の「スケ番」小宮山洋子・厚労相だ。年金カットや子ども手当の廃止、3号被保険者(サラリーマン世帯の専業主婦)制度の見直しなど、弱者からのカツアゲにことのほか熱心なスケ番は、長崎での対話集会(2月18日)で増税反対派の山田正彦・前農相と「タイマン」を演じた。
対話集会の参加者はネットで応募したわずか17人。民主党長崎県連代表の山田氏は、スケ番に付き従う役人から「代議士は参加できない」と出席を断わられ、一市民として出席を求めると、今度は「発言はダメ」と会場後方の傍聴席に追いやられた。それでもスケ番に一太刀浴びせた。
「われわれは月額7万円の最低保障年金を創設するときに、財源として消費税を上げると決めた。その通りにやっていくべきだ」
増税するなら約束した新年金をつくれと迫った。
小宮山氏は、「これ(最低保障年金)をやらなければ消費税を上げられないということでは間に合いません!」と、山田氏の発言を遮って「メンチ」を切った。
山田氏はいう。
「『来るな』『発言するな』といわれたのには驚いた。参加者は増税理解者が多かったようだから、反対論は聞かせたくなかったんだろう。それにしても、せっかく大臣が長崎に来たのに定員が17人とはひどい話だ。
国民の声を聞くなら大きな会場で反対派も賛成派もみんな入れればいいのに、ハナからそんな姿勢は感じられない。消費税法案を国会提出する前に、アリバイ工作で国民と対話・議論したという形をとったにすぎない。こんなヤラセ集会に税金を使うのはけしからん」
小宮山氏は最低保障年金などやる気はなく、それどころか、閣議決定している厚生年金と国家公務員共済を一元化して官民格差をなくす法案さえ役人の反乱が怖くてまとめられない。それでいて庶民の年金はカットしていくのだから、増税ギャングの財務大臣と同様、権力者にへつらい弱い者イジメで虚勢を張る臆病者のチンピラである。
※週刊ポスト2012年3月16日号