前原誠司・民主党政調会長は、紙面で「言うだけ番長」と評した産経新聞記者の会見参加を拒否し話題になったが、それにならっていえば、野田佳彦・首相は正真正銘、「開き直り総長」だ。
普通は政権運営が苦しくなれば国民を振り向かせようと必死になるものだが、政界で大した経験も実績もないこの男は、権力の何たるかを知らない。ますます官僚やアメリカ、無能な親衛隊のご機嫌ばかり気にして国民には肥えた尻を向け、自ら人気を落としている。
増税も国会改革も親衛隊に丸投げだがうまくいかず、ついに自分で動いた沖縄問題では、約3000億円の振興予算を土産に、「普天間の移転先は辺野古以外にあり得ない」と県民のほっぺたを札束で叩いた。すでに米国は「辺野古はあきらめる」というシグナルを日本に送り続け、海兵隊のグアム移転を進めているにもかかわらず、鳩山政権時代に県外移設を潰した岡田克也・副総理や外務官僚、防衛官僚に媚を売ろうという態度だ。
「人柄だけ」といわれてきた男が、バレンタインデーには女性の番記者からのチョコレート「ゼロ」というレアな記録を打ち立てた。パシリ記者からもナメられている。完全に「裸の総長様」である。
※週刊ポスト2012年3月16日号