米寿を迎えたいまも、多数の料理教室の生徒をかかえ、テレビや雑誌に引っ張りだこ。上品かつ軽妙な語りとともに和の家庭料理を伝える“登紀子ばぁば”こと、料理研究家の鈴木登紀子さん(88)。そんな鈴木さんが寿司屋でのマナーについて教えてくれた。
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お祝いごとは家族揃って外食、おすしはおすし屋さんで…というかたもいらっしゃるでしょう。そんなとき、ちょっと覚えておいていただきたいことがございます。
「あがりをください」などといってはいけませんよ。「お茶をお願いします」といいましょう。
「しゃり」(ご飯)、「がり」(しょうが)もいけません。「ネタ」なんてとんでもないですよ。最近では、当たり前のように使われていますが、これらはいわゆる“隠語”で、素人の女性が口にするべき言葉ではないのです。
「おあいそ」も然り。本来はお店側がお勘定書きを渡す際に、「お愛想がなくて申し訳ありません」と添えていた言葉です。「ごちそうさまでした」とひと言、目を見ておっしゃれば通じます。“粋”を取り違えて、努々、お愛想を尽かされませんように…。
※女性セブン2012年3月15日号