以前本誌・女性セブンで飲食店での写真撮影がアリかナシかの記事を掲載した。この件については、ネット上でも賛否両論となり盛り上がったが、流通ジャーナリストの金子哲雄さんはどう見るのか? 以下、金子さんの解説だ。
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レストランでの撮影は、周囲にきちんと配慮できていれば問題ないとぼくは思います。スマホのよさは、日常生活で見つけた素敵なものやおいしいものを、ブログやツイッターにすぐアップできること。これがNGになると、スマホのよさが半減しちゃいますし。
なぜセブンがいま、この問題を取り上げているのか? ぼくはこの記事自体が、ネット社会の過渡期的現象だと思います。
レストランでの撮影は既存のルールの枠に収まらない行為なので、いままでは各々の判断で撮るしかなかった。それがセブンで議論されるようになったということは、それだけネット社会の成熟が進んできたことの表れだと思います。
レストラン側にも意識改革が必要になるでしょう。撮影禁止にするより、写真がブログにアップされることを前提にサービスを考えたほうが現実的です。たとえば、お客さんが思わず写真に撮りたくなるような盛りつけにするとか、シェフがいっしょに写ってあげるとか。おいしそうな料理写真が顧客のブログを介して広がれば、「食べログ」以上の宣伝効果を生むかもしれません。
※女性セブン2012年3月15日号