『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。現在、本サイトでは、3月2日に配信された5号に掲載されている「櫻井よしこの今週のオピニオン」を全文公開しているが、今回はその完結編。北京の日本大使館を巡る日本外務省の“許されざる妥協”ついて櫻井はこう語る。
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中国の実相を正視し、正面から向き合い、主張すべきことを主張しなければならないにも拘わらず、日本外交は心許ない。日本国の主張を展開するどころか、昨年七月に完成した北京の新しい日本大使館の建築確認を巡って、日本外務省がしてはならない妥協をしていたことが判明した。
日本大使館の建築確認を申請したところ、中国側が条件を出したという。中国が名古屋市と新潟市で、領事館用地として希望している土地の購入に便宜をはかるよう申し入れたというのだ。この件は自民党外交部会の調査によって明らかになっている。
それに対して北京の丹羽宇一郎大使以下日本の外交官は抗することが出来ず、本省に助けを求めたのであろう。本省もまた、建築確認と日本国内の土地譲渡は無関係だという当然のことを言えず、中国の理不尽な要求を受け入れて、口上書を出したというのだ。
周知のように、中国は国土のひとかけらも売らない。だから米国は、大使館用であれ領事館用であれ、中国政府にアメリカの国土を売り渡すことはしない。これは当然の相互主義である。対して日本は政府が率先して中国政府への土地売りに走るのである。その中国は尖閣諸島を中国の核心的利益と言うのである。
日中関係のなんと一方的でいびつなことか。日本外交のなんと無様なことか。世にチャイナスクールと呼ばれる人々ほど祖国への愛を欠き、国益を害するものはないと断ずるゆえんである。
現在、米朝合意に向けた両国の交渉が進んでいる。詳細は詰められていないが、経験不足の金正恩体制に対し、アメリカも必死で食い込みを図っているのである。本来、日本は韓国による平和統一を全力で支持しなければならない立場だ。拉致問題解決のためにも、リアルタイムで北朝鮮をめぐる諸国の動きを把握しておかなければならない。その上で、現実的な手を打つべき時なのだ。
※上記の記事全文は現在配信中の『メルマガNEWSポストセブン』5号で読めます。