東京駅の“復原”工事が大詰めを迎えている。
大正3年に開業した東京駅は、南北に王冠型の屋根を戴いた3階建ての荘厳な建物だったが、昭和20年に東京大空襲で被災。戦後の復旧工事では、被害が大きかった3階部分は取り壊され2階建てに、屋根は八角形へと改造され、平成19年に復原工事が始まるまで、応急処置されたままだったのである。
復元でなく復原なのは、JR東日本によると「後世の修理で改造された部分を原型に戻すから」だという。
2月末には、丸の内駅舎の改札やみどりの窓口など施設の一部使用も始まった。昔の形に戻すという、“アフター”とも“ビフォー”ともいえる工事は10月に終了する。
「駅舎内の延べ床面積は2倍以上に拡大され、ギャラリー、スパや宴会場を備えたホテルもオープンする予定です」(JR東日本)
“駅的大改造”が楽しみだ。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2012年3月16日号