維持コストの安い軽自動車の人気が高まっている。購入を考えている人も多いだろう。実は購入するならこの3月が特にオススメというのは流通ジャーナリストの金子哲雄氏だ。お得に買うノウハウを金子氏が解説する。
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3月中に買っておいたほうが絶対にお得な商品の代表格が、自動車だ。特に軽自動車を狙っている人は、3月が絶好の購入チャンスだろう。
もともと決算期を控えた3月は、あらゆるジャンルの商品が大きく値を下げやすい時期だ。とりわけ自動車では、業界のジャンル内「販売台数ナンバーワン」を謳っている車種やメーカーは、その事実を広告に打つためにも、他社に負けるわけにはいかない。いきおい、販売競争も激しさを増すことになる。
今年は「軽自動車ナンバーワン・メーカー」の座を巡り、ダイハツとスズキが激しく争っている。総販売台数の争いも熱いが、『ワゴンR』(スズキ)と『ムーブ』(ダイハツ)という看板車種同士に加え、ホンダが社運をかけて出した『N BOX』も参入したことで軽ワゴンのシェア争いも激化。
また、「リッター30キロ」をクリアした低燃費エンジン搭載の『アルト エコ』(スズキ)と『ミライース』(ダイハツ)の戦いも熱い。互いに1台でも多く販売するために、思い切った価格交渉に応じてくれる可能性が高いのだ。
限界値引きを引き出す買い物のコツは、本命のクルマを扱う販売店に出向き、ライバルメーカーや競合車種の名前をズバリ出して、「じつは、●●とどちらにしようか迷っている」と、相談すること。本気で購入を検討していることが販売員に伝われば、「このお客さんを逃すまじ」と、ギリギリの出血価格を提示してくるはずだ。
リッターカーに関しては、トヨタの小型ハイブリッドカー『アクア』が大人気だ。2011年12月の発売後、1か月で12万台もの受注を集め、納車まで約5か月待ち(2012年2月1日時点)の状況となっており、残念ながら価格交渉に応じてくれる気配はなさそうだ。このクラスで価格交渉に応じてくれる可能性が高いのは、『デミオ』(マツダ)や『フィットハイブリッド』(ホンダ)などの競合車種だ。
購入タイミングは、新車登録に要する日数などを考えると、3月の第2週目ごろまでに購入したほうがよい。今年は3月9日~11日の週末が、“決算セールの天王山”となるだろう。
※マネーポスト2012年春号