3月7日に出された日本気象協会の発表によると、今年の桜前線は遅れ気味ということだが、気温も上がりはじめて、お花見はまだでも、ちょっとお散歩など、外で楽しみたいことも増えてくる。
フィーチャーフォンでも携帯カメラは楽しめるが、シェアの増えているスマートフォン(以下、スマホ)は携帯電話だけなく、小さなPCでもあり、高画質・高機能のデジカメにもなっている。写真を撮って、画像加工して、そのままSNSへアップロード……といった使い方をしている人も多いだろう。気軽さ・手軽さから、どんどん使える一方で、写真データの管理・整理やバックアップは、ついおろそかになりがち。
トレンド総研が20代・30代のスマホユーザー男女500名に「スマートフォンの写真機能」に関する調査を実施したところ、80%が撮影した写真データは「スマートフォンに保存したままにしておく」と回答している。
複数回答で「PCにバックアップとして保存する」37%、「SNSで投稿・共有をする」28%、「メールで友人や家族に共有をする」22%と続くが、基本的に“スマホに保存しっぱなし”=“撮りっぱなし”になっているもよう。
「スマートフォンの写真機能を利用する上で気になること・困ること」という質問では、「撮影した画像をバックアップや印刷のためにPCへ保存することが面倒に感じる」の59%が1位になっているが、その反面「写真をたくさん保存したことで、データの容量が気になる」が56%で2位、「せっかく撮影・保存した写真を紛失・誤消去しないか不安になる」は49%で3位と、“面倒だけど、そのままじゃダメだよね”といった印象の上位結果。
スマホは小さなPCでもあり、自動バックアップといった機能もアプリや設定などで可能だが、元々フィーチャーフォンの頃から「PCよりは携帯のメールの方が、コミュニケーションのウェイトが高い」というタイプのユーザーだと、こうした機能の設定が“難しそう”とか“よくわからない”となるケースは多そうだ。
また、「スマートフォンにより写真保存・共有をする際に『クラウド』を活用している?」という質問に、「活用している」と回答したのは16%。ネットに繋がっている端末であるスマホの場合、クラウドサービスの活用は便利だが、この利用率。サービス自体の認知が低いのか? というと、「あなたは『クラウド』について知っていますか?」には、「よく知っている」14%、「ある程度知っている」35%を合わせて、約半数の49%が「知っている」という回答となっている。
「今後利用してみたいスマートフォンの写真機能活用方法は?」の質問に、クラウドを活用するものでは「SNSやブログでの写真の簡単共有」は44%の一方、「写真の自動バックアップ」が62%、「写真の紛失・誤消去を防ぐ保険としてデータを自動保存」58%と、自動保存ニーズの高さが感じられる結果となった。
日本の携帯電話ユーザーは、携帯電話で写真を撮り、それをメールで送信して、メール文章には絵文字やデコレーションも、赤外線通信もできるし、オサイフ機能だって……という進化を受け入れてきた。
単純に“便利で簡単”なものであれば積極的に活用するのが、良くも悪くも「ガラパゴス」といわれる日本の携帯文化を作った原動力。クラウド自体を「知らない」人でも、「自動バックアップ」といった“便利で簡単”機能は、活用されるジャンルになり得る。
ただ周辺サービスの拡充が著しいスマホだけに、今は新サービスや機能・アプリの情報が多すぎて、“選べない”“選びにくい”が大きくなって、「わからない!」となるケースもあるだろう。
サービスの仕組み自体を詳しく知らなくても、“便利で簡単”は使いやすい機能を発揮してくれる。“面倒だけど、そのままじゃダメだよね”と思って、それを解決する道具を試してみたら「どうして今まで、使わなかったんだろう?」となることは多いはず。
セキュリティなど安全の確保は必要だが、もっとスマホを楽しむために、自分にとっての“便利で簡単”な道具を探してみるといいかもしれない。