小山慶一郎(27)が震災後初めて被災地を訪れたのは3月27日、津波にのみ込まれた函館朝市だった。アイドルグループNEWSのメンバーとして多忙なスケジュールの中、実際に自分が見たこと、感じたことを伝えたいと志願し、実現したものだった。以来、『news every.』(日本テレビ系)のキャスターとして、被災地に20回近く足を運んできた。小山は当時のことをこう振り返る。
「それまでは画面を通してしかわからなかったけれど、被災地に来たら、360度被災している状況が見えるわけです。 ここに人々の生活があったんだとか考えたら、怖くて足が震えて、言葉は出ないしとても冷静に伝えられなかった。それでも自分にできることは伝えることしか ないって改めてわかったんです。1回や2回行っただけで現状を知り尽くしたようないい方はしたくないから、行き続けなきゃと思いました」
被災地での取材という初めての経験に戸惑うことも多かったと小山はいう。
「何が失礼になってしまうのかわからないから、本当に考えながら質問します。話をしているうちに涙してしまうかた に、『思い出させてしまってすみません』って謝ると、『いいの、いいの。自分の中で整理してるから』っていわれたこともあって…。言葉のひとつひとつをかみしめるようにしています」
報道の現場では、アイドルという要素はいらないと思っていたが、被災地に行ってNEWSの小山慶一郎でよかったなと感じることもある。そのときのことを小山はこう話す。
「避難所の体育館へ取材に行ったとき、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで何百人ってかたが、『来てくれてありがとう』って本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれて…。そのときに『ジャニーズでよかった!』って心から思いました。去年はNEWSに転機があったりと精神的 につらい時期もあったんですが、被災地に行くと、ぼくが限界だって思ってたことなんて乗り越えられる、おれ何悩んでるんだって、逆に元気をもらいました」
※女性セブン2012年3月22日号