結婚生活10年目。小さな不満やズレが積もり積もって、一緒にいるのはもう限界! 結婚して夫が嫌いになってしまった妻は、夫と暮らす福島から単身東京へ。念願のひとり暮らしがスタートしたが、遠く離れてみたらなんだか夫がよく見えてきて…。
そんな経験を綴った著書『別居したら夫を好きになれました』(竹書房)を出した安斎かなえさん(41才)がこう語る。
「仕事も東京の自宅でひとり作業だし、友達もいない。引きこもりの場所が福島から東京に変わっただけでした。それまでふたりでいたぶん、ひとりの寂しさが堪えました。アラフォーで子孫を残せないんじゃないかという焦りもあった。それに別居までしたくせに相変わらず夫とも連絡をとっている自分にも“何してんだ私”ってへこみました。見た目は、ひとりで外食のしすぎで太りました(苦笑)」
お互い意地を張って“戻ってきて”“戻りたい”という言葉をいえなかったが、かなえさんの肩を持ってくれた義理の姉たちや地元の友人が背中を押して戻ることができたという。
「ゆる~い別居だったからこそ、お互い見つめ合う機会ができたのかなって思います。別居解消後ですが、震災のときも、真っ先に電話をかけてきてくれたり、私もいちばんに心配したり。やっぱりお互いにお互いしかいないって思った。同じ相手を思いやれたことがよかったです。
それに、なんだかんだいっても夫はラクな存在っていう打算もありますし(笑い)。いまのよっちゃんは、炊事洗濯も嫌がらず率先してやってくれるようになりました。それに、こうして漫画に描かれることも大歓迎で(笑い)。いま気楽な夫婦でいられるのは別居したあの3年があったからでしょうね。夫婦から家族になれた気がします」(安斎さん)
男女の仲はスパッと割り切れない。人間だし迷いもある。そんなリアルな感情が読者の共感を得るのだろう。
「もし一緒にいるのがつらいなら、別居もひとつの方法だと思うんです。少し距離が離れただけで、どちらがどれだけ頼りにしていたかということに気づかされますから。
元サヤのための前向きな別居をするならば、いつでも戻ってこられる“ゆるい別居”がいいと思いますよ」(安斎さん)
インタビュー中、“よっちゃんは使えるダンナなんですよ”とケラケラ笑いながらくり返すかなえさん。ぴちぴちお肌は幸せの証拠なのかもしれない。
※女性セブン2012年3月22日号