「大塚さんは病院でも『めざましテレビ』を観てくださっていて、メールでスタッフに『あそこはもっとこうした方がいい』とアドバイスをくれたり、皆の様子や視聴率の数字を聞かれたこともあったそうです」(フジテレビ社員)
大塚範一さん(63)が白血病の治療のため、17年間にわたって務めてきた『めざまし』を休養したのは昨年11月2日のこと。今春の「めざまし復帰」を目指して病と闘ってきたが、今回それが叶わぬものとなった。
降板に至った事情を、フジテレビ関係者はこう明かす。
「昨年11月頃から、伊藤利尋アナ(39)が司会を務める『知りたがり!』を拡大することが検討され始めました。そうなれば、さすがに伊藤アナも『めざまし』との掛け持ちはできない。そこで、これを機にキャスティングも一新して、大リニューアルしてはどうかという声がスタッフの間から上がったんです。
そこには、番組立ち上げからの大功労者である大塚さんに、安心して治療に専念してほしいという配慮もありました」
それが大塚さんに伝えられたのは、昨年暮れのことだった。
「番組プロデューサーが病院を訪れ、他局との視聴率競争の状況や伊藤アナが番組から抜けることなどを大塚さんに説明したんです。すると、大塚さんから『分かりました。良いタイミングなので、私も卒業します』という話があったそうです」(フジ関係者)
4月からメーンを務める三宅正治アナ(49)をあくまで代行という形にして、大塚さんの復帰を待つという腹案もあったが、
「まだ治療に時間がかかるので、中途半端な“休養中”というスタンスより、いったん卒業という形をとって、治療に専念したい」
こういって大塚さんが断わったのだという。大塚さんの“卒業”は外に漏れないよう、発表直前まで秘密にされていた。
「2月末のスタッフ会議でプロデューサーが『大塚さんと話し、卒業という形になった。“回復したら、めざましに帰ってきてくださいね”といって、大塚さんの手を握ってきた』と報告したんですが、プロデューサーも目頭を熱くしていましたし、スタッフの中には泣いている人もいました」(フジ関係者)
番組では、大塚さんが休養に入ってからも占いコーナーなどのタイトル画面に大塚さんの顔写真を使うなど、スタッフの間には“大塚さんあっての『めざましテレビ』”との思いが強かった。その思いは大塚さんも同じだった。
「スタッフの1人が入院して間もなくの頃にお見舞いにいったところ、『毎朝めざましを見ている。自分の顔が出ると、自分も参加している気分がして、うれしいよ』と話していたそうです」(フジ社員)
それだけに2 月25日に行なわれた高島彩の披露宴を楽しみにしていたという。
「長年、一緒に番組を担当してきたアヤパンの披露宴にはぜひ出たいと思っていたそうですが、出席できなかったことをとても残念がっていました」と別のフジテレビ関係者は語る。それほどまでに大塚さんは番組と“めざましファミリー”に対する思い入れが非常に強かった。
※週刊ポスト2012年3月23日号