プロ野球開幕が迫っているが、大型補強と若手の台頭で格段に戦力アップした巨人を、多くの評論家が優勝候補筆頭に挙げている。ところがその一方で、新戦力に問題を指摘する声がある。 その一番手に挙げられているのは、横浜から移籍した主砲・村田修一のバッティングだ。
最近の村田は本塁打狙いを封印し、右方向を狙う打ち方に終始している。打線の貧弱な横浜では、“自分が決めてやる”と積極的に引っ張っていた打撃だが、巨人ではなぜか小さくなってきているのだ。 これには理由がある。セ球団のスコアラーがこう分析する。
「村田は“外角に逃げるスライダーを投げておけば安全パイ”といわれていた。この弱点をごまかすための流し打ちでしょう。黙っていても4番の座が空いていた横浜とは違い、巨人は結果がすべて。空振りを怖がって、当てるバッティングになっている」
村田はもともと気の優しい性格だという。
「剃り込みを入れたり、奇抜な髪型をするのも、無意識に気の弱さを隠そうとしているのでしょう。横浜では番長のような形で幅をきかせていましたが、今は気の毒なくらい周りに気を遣っている。本来の良さが生かせておらず、一発のない村田では他球団は何も怖くない」(ベテランスポーツジャーナリスト)
※週刊ポスト2012年3月23日号