『めざましテレビ』(フジテレビ系)の顔を17年間務めてきた大塚範一キャスター(63)は白血病の治療に都内大学病院で専念するため、番組からの「卒業」となった。
番組リニューアルの発表時には、「私は変わらぬ闘争心で闘病を続けております。近く回復の暁には『めざましテレビ』のスタジオにお邪魔して、あらためてお礼のご挨拶をさせていただくつもりです」とメッセージを寄せていた。しかし、実は昨年12月中旬、闘病中の大塚さんに悲しい出来事があった。
大塚さんにとって誰よりも大切で、誰よりも愛した母・千枝さん(享年93)が亡くなったのだ。二女の恭子さんが、弟の大塚さんの病室を訪れ、母親の死を告げた時の様子をこう話す。
「(弟は)声もなく泣いていました。親ですからね。本人は(葬儀には)出たいといっていたんですが、体調が悪くて叶いませんでした。自分の病気のこともありますから……。とても情けなかったんでしょうね」
そこは無菌室のベッド。白衣と帽子をかぶり、マスクをしての面会ゆえ、長い会話は叶わなかった。まして、抗がん剤の副作用で吐き気を催し、声を出すのも苦しい中である。感情はただ嗚咽となって響いた。
※週刊ポスト2012年3月23日号