現在、がん治療は「手術」「抗がん剤」「放射線」の3つを核に、単独あるいは複合して行なわれている。 従来の手術は開腹が基本だった。だが、内視鏡や腹腔鏡といった“切らない”手術が主流になりつつある。
都内の大学病院に勤務する外科医がいう。
「医師が内視鏡や腹腔鏡を使って施術するのではなく、ロボットに任せる手術の登場が注目を集めています。人間の場合、手が震えて微細ながん細胞を切除できない場合もあったのですが、ロボットではそんなことがありません」
東京医科大学病院や藤田保健衛生大学病院などで導入されている「ダヴィンチ」はこの代表格だ。
患者の腹部に開けられた、複数のごく小さな穴から、電子メスや手術部分を映すモニターなどの器具を装備したロボットアームが挿入される。医師は3次元画像を見ながらアームを操作して手術を行なう。
「前立腺がん手術ではロボット手術が先進医療として認知され、実施施設に認定された施設では4月から保険診療との併用ができるようになっています」(同医師)
今後は胃がんや食道がん、大腸がんのロボット手術もこの5年以内に保険診療が認められていくはずだ。
※週刊ポスト2012年3月23日号