所属球団が決まらぬまま“メジャー10年目”を迎えた松井秀喜(37)。一時は古巣ヤンキースへの復帰が濃厚といわれたが、ヤ軍は左のDH兼外野手として39歳のR・イバネスと契約。2年前と同様に“松井斬り”を決断したB・キャッシュマンGMは松井と契約しなかった理由を事務的な口調で語った。
「イバネスは3~4人のDH候補の中で年齢的には最年長だったが、最もヘルシーという報告があった。時には外野も守ってもらう必要があるから、体調面で万全であることが最も重要な条件だった。ヒデキがいい選手であることは疑う余地のないことだが、イバネスの方が現在のヤンキースにフィットする。
今季のヤンキースは、このキャンプに参加している選手で戦う。故障者が出たりする可能性があるにせよ、ヒデキにマイナー契約をオファーする考えもない」
一方で、“ヤ軍の顔”ジーターは納得がいかない様子を隠さなかった。
「イバネスがどうのとか、球団の決断がどうのとかについては、俺はいうべき立場ではない。だが、ヒデキが置かれている状況は全く理解できない。彼は今でもすばらしい選手だ。実際、昨年の後半戦はしっかり打っている」
一息ついて、こう続けた。
「ヒデキに仕事を与えられないのは(MLBの)シェイム(恥)だ。
俺はまた一緒にプレーしたい。今まで多くのチームメイトに恵まれたが、中でもヤツはお気に入りの選手だ。グッドラックとしかいいようがないが、すぐに仕事は見つかるよ。日本のファンも心配だろうけど、大丈夫だと伝えてほしい」
※週刊ポスト2012年3月23日号