小泉今日子(45)と中井貴一(50)がW主演を務めるドラマ『最後から二番目の恋』が22日(木)に最終回を迎える。R40世代を中心に話題を呼んでいるこのドラマ。キョンキョンが演じているのは45歳・独身のテレビ局プロデューサーだ。古都・鎌倉を舞台に大人の群像劇が繰り広げられているが、ほのぼのした雰囲気のなかに飛び交うセリフは、
「寂しくない大人なんていない」
「あと何回セックスできるかどうかわからないのよ」
「とっくに大人になっているはずなのに、思っていたのとは全々違って」
「45と50じゃ、全然ちがいますから!」。(50になったらどうするの? と返されると)「なりませんから!!」
など真に迫るものばかりで、キョンキョンが「心に沁み過ぎてしまって、逆に言いたくないセリフがあるくらい」と語ったほどだ。
このリアルなセリフを生み出しているのは、脚本家の岡田惠和氏。昨年放送されて高視聴率を記録したNHK朝の連続ドラマ『おひさま』でも脚本を手掛けた実力派である。これまでにも、『若者のすべて』(1994年フジテレビ)、『イグアナの娘』(1996年テレビ朝日)、『ビーチボーイズ』(1997年フジテレビ)、『ちゅらさん』(2001年NHK)、『あいのうた』(2005年日本テレビ)など、数々のヒットを飛ばしてきた。
構成よりもセリフにこだわるという創作スタイルをとる岡田氏は、「書く前にプロット(あらすじ)を提出して、それについて話し合うのはキライ」と語り、自分の脳内で練り上げるのが好きで、取材が必要なドラマは書かないともいう。独特のセリフの連続から成る“岡田ワールド”は、まさに岡田氏の体内から生み出されているようだ。
そんな岡田氏、『あの企業の入社試験に、あのひとが答えたなら。』(青志社)という本ではフジテレビの入社試験に挑み、「フジテレビには就職できないな」「これまでのキャリアが台無しになるかもしれない」と、なんとも弱気な感想を吐露する一面も。フジの試験は「とある“草食系男子”を主人公にしたサクセスストーリーを考えてください」という問題に、小論文800字で答えるというもの。セリフ重視、事前にプロットも作らないという岡田氏にとって、慣れない形式だったのかもしれない。
心をえぐるようなセリフや、登場人物の切ない心情を丹念に描きながら、温かい人間ドラマとして編み上げる岡田ドラマ。『最後から二番目の恋』の最終回ではどんなセリフが飛び出すのだろうか。