韓国では2009年3月に自殺した人気女優、チャン・ジャヨンさん(当時26歳)が生前に残したとされる手紙に「所属事務所代表から、31人と100回以上の売春を強要された」などと書かれてあったことから、警察当局が捜査に乗り出し、所属事務所の前代表や元マネジャーが懲役刑を受ける事件があったが、中国でも事情は似ているらしい。
中国の人気監督、単聯全氏が広東省の夕刊紙「羊城晩報」に中国の芸能界事情を明らかにしている。単監督は大連市出身の作家、監督で、2008年にドラマ『我的丑娘』(私の醜い母親)で人気監督に躍り出て、その後もホームドラマ路線の作品を手がけている。最新作は『我和丈母娘的十年戦争』(私と義母の10年戦争)で、この作品について同紙の単独インタビューを受け、売春問題について言及した。
単監督によると、中国の芸能界を語るうえで欠かせないのが「潜規則」だという。「潜規則」とは暗黙のルールのことで、中国の芸能界には「役が欲しかったら女優は監督と寝るのが当たり前」「金持ち相手に売春している女優がいる」というルールが暗に存在していると語っている。
単監督は、ある金持ちが「女優を紹介してくれれば、ドラマに出資する」と暗に女優を斡旋するように求めてきた実例を紹介。単監督が断ると「じゃあ一晩だけでいいよ。50万元(約600万円)払うから頼むよ」としつこく頼み込んできたという。また、単監督は自分の作品に出演した女優のなかにも、金持ちの愛人になった人がいることを明らかにしている。
中国の芸能界において役を得るため監督と寝るという「枕営業」や、金持ちとの「売春」が行なわれてきたことについては、メディアやネットではしばしば取り上げられてきた。2006年、女優の張ユーが監督やプロデューサーとベッドインしている動画を暴露して大きな話題になったことある。中国の名監督として名高い張芸謀(チャン・イーモウ)氏も、張作品に多数出演しているコン・リーやチャン・ツィイーとの不倫は有名だ。
さらに、最近では女性歌手と金持ちとの売春現場を撮影した動画がネット上に出回っている。その内容は、男が部屋に入ると、バスローブ姿の女性歌手が待っており、男性と話をしながらバスローブや下着を脱いでいくというもの。
その会話では、芸能界の売春相場についての内容もあり、女性歌手は「私の売春価格は1回8万元(約104万円)」「大物女優なら10万元(約130万円)くらいね」などと赤裸々に売春相場を明らかにしている。