経済見通しをふまえたうえで先読み資産防衛術を紹介するマネーポストの好評連載「森永卓郎のサバイバル資産防衛術」。森永氏は、政局次第では株価急騰局面が来てもおかしくない、と指摘する。そこで、そうした局面に今から備えるための株主優待投資術を伝授する。
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私は、株価急騰局面がいつ来ても乗り遅れないように、それに備えて今のうちから株式投資の練習をしておくことをお勧めします。
それに最適なのが、株主優待狙いの投資法です。今は全体的に株価が下がったことにより、優待利回りもかつてないほど高くなっています。しかも、優待狙い投資のいい点は、株価が上がらなくても株主ならではの利益実感が味わえることです。特に、少ない投資金額でも高い優待利回りを狙える銘柄から始めるのがいいと思います。
そこで、買い物系、遊び系から、私が注目する銘柄をピックアップしてみましょう。最近、優待狙いで買ったのが、ドラッグストアチェーンを展開するスギホールディングス。スギ薬局グループ全店の商品がすべて5%引きとなるので、お得感が高いです。
家電量販店なら、ビックカメラは同業他社に比べて優待利回りは高い。4万円台を投じて1株保有すれば、年間3000円分の自社買物優待券がもらえます。愛眼は、メガネの50%割引券がもらえましたが、今年3月分から割引率が引き下げられました。しかし、それでも30%引きで買えるので、メリットは高いと思います。
景気低迷が長期化しているので、今後、愛眼のように株主優待の水準が下がったり、廃止されたりする銘柄は出てくるかもしれません。ただ、企業側に買収防止策として個人株主を減らしたくないとの事情もあり、優待水準を下げる企業は多くないとみています。
(連載「森永卓郎のサバイバル資産防衛術」より抜粋)
※マネーポスト2012年春号