首都圏で起きた連続不審死事件で、男性3 人の殺人罪などに問われ、3月12日、検察から「死刑」を求刑された木嶋被告(37)。裁判ではセックス自慢を雄弁に語ったことでも注目を集めたが、その兆候は高校時代からあったという。
木嶋被告は1974年11月27日、北海道東部の中標津町生まれ。小学校にはいってすぐに隣町の別海町に引っ越した。別海町は東京23区の2倍以上の面積で、人口は約1万600人。牛が12万頭というのどかな町だ。しかし居住地は密集していて、人の噂が伝わるのは早い。
祖父は司法書士で、町議会議長を務めたほどの名士。父親は行政書士で、母親はピアノの講師をしていた。木嶋被告は4人きょうだいの長女で、下に弟と2人の妹がいる。
酪農地帯にあって、司法書士・行政書士というエリートの木嶋家は羨望をもって語られることが多かった。町の中心部からほど近い高台に立つ家からは、母と子供たちの奏でるピアノの調べがよく聞こえていたという。
「佳苗ちゃんは下の子たちの面倒をよく見ていました。子供のころからプクッと太っていたから、お母さんが食事に気を使って、他のきょうだいよりちょっとずつわからないように佳苗ちゃんの分を減らしていたって聞いています。子供思いの両親で、しっかりとした家族。ですから裁判での発言に本当にびっくりしています」(近隣住民)
木嶋被告の小中高時代の同級生によれば、成績は優秀。どちらかといえば、地味で目立たないタイプだったという。
「すごく頭がよくて、小学校のときにすでに中学や高校の問題をやっていたと思う。だからかな、先生のことをバカにするような態度をとることもあったし、人の輪から外れるところもあった」(小中時代の同級生)
何不自由ない環境に育ち、一見、恋愛やセックス、まして殺人とは無縁のように思える少女・しかし、彼女にはそうしたイメージとはまったく別の“評判”もあった。
「中3のときに援助交際のようなことをしているという噂が立ったんです。中標津の駐車場に中年の男と一緒にいるのを見た、とクラスメートがいっていました」(元同級生)
地元の公立高校に進学すると、ボランティア・サークルに所属し、老人ホームや障がい者施設でボランティア活動を熱心に行うようになった。だが、その一方で、性にまつわる噂は高校時代も絶えなかった。
「ある同級生の女の子は、木嶋さんに“私、この人とつきあってるんだ”といって、彼氏の写真を見せられたそうです。40代くらいの頭のハゲたおじさんだったので驚いたといっていました」(高校時代の同級生)
木嶋被告は公判のなかで、高校2年生のときに40代の男性と初体験を済ませたことを明かしている。さらに、この交際男性に指示されて、知り合いの家から通帳と印鑑を持ち出し、800万円の窃盗に協力。事件の共犯として保護観察処分を受けていたことも公判で明らかになった。
※女性セブン2012年3月29日・4月5日号