若者の車離れが進んでいるといわれるが、大地震の際、意外にも車が重宝されることになるという。阪神・淡路大震災の被災者で『震度7が残した108の教訓』(小学館)の著者である荒尾和彦さんは、車で避難している人は周囲にとっても頼りになる存在だという。
「車に携帯の充電器を積んでいる人がいて、その車には避難してしばらくの間は人だかりができてたよ。だって、みんななんとか家族と連絡取りたくて、電話もするし、ネットも使うだろ。だから、すぐに電池がなくなっちゃう。ライフラインがダメになっても、車なら充電できるんだよ」(石巻市在住・60代自営業)
便利なのは、携帯の充電器だけではない。情報源が限られてしまう被災直後の人たちにとって、車は情報の宝庫なのだという。
「車はラジオが聞けるし、カーナビのほとんどにワンセグのテレビがついてるから、それでどんどんいま自分が置かれている状況がわかった。口コミで知らされる以上に目で見たほうがいちばんわかりやすいですから」(仙台市在住・20代学生)
状況がはっきりしない中で、行動するのは先が見えず本当に不安な思いをする。私の場合は、自分が置かれている状況をはっきり認知したのは、震災翌日のことだった。どんどん頼って情報を積極的に入手しよう。
※女性セブン2012年3月29日・4月5日号