3月12日、死刑を求刑された「婚活詐欺女」こと木嶋佳苗被告だが、その多くの男性を手玉にとり、多額のカネを貢がせてきた生き方のはじまりは、1994年ころ、渋谷の道玄坂にある喫茶店で、“愛人クラブ”のスカウトに声をかけられたことだという。
「デートの内容としては食事や旅行などです。具体的な項目としてホテルでエッチするという項目がありました。興味があったのでやることにしました。ノーマルなセックスならOKだと書きました。スタジオに連れていかれ、プロのヘアメイクに髪をセットされて写真を撮られました」
このスカウトには、「セックスする際は最低10万円」はもらえるといわれたという。最初に“愛人”男性に会ったのは、赤坂のホテル。
「最初は肉体関係はなく、交通費として5万円もらいました。2度目は高輪のシティホテルで待ち合わせをして、食事をしてホテルに行きました。『いままでのセックスのなかで、あなたほど凄い女性はいなかった』といわれました。その後も月に2~3回会っていました」
ここで3人の相手と愛人関係を結ぶ一方で、木嶋被告は雑誌や夕刊紙を見て、池袋のデートクラブにも通うようになる。 愛人クラブの男性たちにセックスをほめられたので、交際を目的とした一般人と出会うデートクラブで、「どうかな」と試してみたかったというのだ。繰り返すが、当時、木嶋被告はまだ19才だった。
「池袋のデートクラブでは10人くらいでした。テクニックよりも、本来持っている機能が高い、と。そこをほめてくれる人が多かったです」
驚くほどのセックス自慢を、落ち着いた口調で語る木嶋被告。もちろん、詐欺を繰り返してきた女性が語る話であり、その内容をすべて鵜呑みにすることはできない。法政大学文学部心理学科教授(犯罪心理学)の越智啓太さんはこういう。
「人をだます喜び、相手の心を簡単に操ることに快感を覚えているのでしょう。結婚詐欺師に多いタイプですが、嘘の人生を演じているうちにそれが自分のなかで本当になってしまう。すべてが嘘で塗り固められているから、嘘をつくことに罪悪感はない。裁判での性的発言も、周囲がどん引きするのを見て楽しんでいるように見えます」
※女性セブン2012年3月29日・4月5日号