経済見通しをふまえたうえで先読み資産防衛術を紹介するマネーポストの好評連載「森永卓郎のサバイバル資産防衛術」。今回は森永卓郎氏が注目する「運輸系」の株主優待銘柄を紹介する。
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乗り物系では、単元株(1000株)で約40万円とちょっと投資金額は張りますが、東武鉄道は優待でもらえるものの量がもの凄いんですよ。例えば、東武動物公園の入園無料券5枚、東武博物館の入館料無料券5枚、東武ワールドスクエアの入場割引券5枚、東武百貨店の5%買物割引券8枚、それに系列ゴルフ場・ホテルの割引券などが、半期毎にごっそりもらえる。
東武ワールドスクエアの入場料が1000円(大人)割引になる券などは、金券ショップで売ることもできます。実際、私は金券ショップで買って行きましたが、大人でも結構楽しめる。 さらに、資金に余裕がある人なら、3000株保有で全線優待乗車証が4枚、5000株保有で10枚もらえます(いずれも半期毎)。同業他社に比べて東武の営業エリアは広く、路線が遠くまでいっているので、全線がタダになるというのは非常にお得感がありますね。
それから、同社が手掛けるスカイツリーが営業開始となれば、今後はその割引券も優待に入ってくるのでは、と期待してしまいます。タダ券とはいいませんから、半額券でも優待に付けてくれたら、相当うれしい。東武鉄道さん、ぜひお願いします!
飛行機をよく利用する人なら、全日本空輸(ANA)がますますお得になっています。単元株(1000株)保有で国内線全線が片道1区間50%割引になる優待券が半期に1枚もらえますが、日本航空(JAL)が上場廃止になったお陰で、最近はその優待券の換金相場がずっと高止まりとなっているんです。
以前は最安値期には、ネットの相場で2000円台まで落ちることもあったのですが、今は底値でも8000円ぐらい、高値では1万円を超えるほど、とんでもない値段が付いています。今後、JALが再上場すればどうなるかわかりませんが、少なくとも今は凄く価値が高いといえそうです。
出張などが多い人には、自社営業路線内の運賃や料金の割引券がもらえる、JR各社の株主優待はメリットが高いものです。その営業路線内の利用が多いということが前提にはなりますが、中でも西日本旅客鉄道(JR西日本)は断然注目です。
株主優待でもらえる割引券の割引率は、なぜか各社で違い、東海旅客鉄道(JR東海)は10%引き、東日本旅客鉄道(JR東日本)は20%引き。それに対して、JR西日本は何と50%引きとなっているからです。
(連載「森永卓郎のサバイバル資産防衛術」より抜粋)
※マネーポスト2012年春号