お世辞にも美人とはいえないルックスと、15号サイズのぽっちゃり体形。にもかかわらず、多くの男性を手玉にとり、多額のカネを貢がせてきた木嶋佳苗被告(37才)。男性3人の殺人罪などに問われ、3月12日、検察から「死刑」を求刑された。
供述などから木嶋被告に金を貢いできた男性の数を合計すると、約30人にもなる。多くは、出会い系サイトや婚活サイトで出会っていた。
そのなかには1850万円を搾取され2009年1月に殺害された寺田隆夫さん(享年53)、銀行口座から180万円を引き出され、2009年5月に殺害された安藤建三さん(享年80)、470万円を搾取され2009年8月に殺害された大出嘉之さん(享年41)も含まれる。
それにしても不思議なのは、出会ってすぐに「お金の援助」を切り出された男性たちが、いとも簡単にお金を振り込んでいることだ。
例えば、安藤さんはメールをやりとりして間もなく、まだ会ってもいない木嶋被告に50万円を振り込み、大出さんも学費支援の名目で、出会った8日後に470万円を振り込んだとされる。普通に考えればすぐに「おかしい」とわかるはずの金銭要求なのに、なぜ男性たちはすすんでお金を貢いだのか。
「あの外見が、むしろ武器になった」
というのは、『人は見た目が9割』(新潮新書)の著者・竹内一郎さんだ。
「もし彼女が美人だったら“何かあるかもしれない”と警戒していたはず。あの外見で尽くす姿勢を見せていたからこそ信じ、“オレが助けてあげなければ”と勝手に思い込んでしまったのでしょう」
近づいたのは女性経験が少なかったり、寂しかったりする男性で、竹内さんは木嶋被告がそうした男性を次々に見つける鋭い“嗅覚”をもっていたと見る。事実、大出さんの母親が法廷で証言した内容によると、木嶋被告について大出さんは、「彼女は太っててね。美人は3日で飽きるけどブスは慣れるし、まあいっか」などと語っていたという。
※女性セブン2012年3月29日・4月5日号