【書評】『ロバートキャンベルの小説家神髄 現代作家6人との対話』(ロバートキャンベル編著/NHK出版/1365円)
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テレビでもお馴染みの日本文学専門の米国出身東大教授が、日本の作家らと語り合った対談集。今は〈ストーリーのわかりやすいものがウケたりする。いわゆる行間を読むというか、その余裕がなくなってきている気がします〉と言う道尾秀介に対しては、文学の行間の大切さに同意しながら格好いいと評する。ほか江國香織、桐野夏生らの素顔や作品の意図が覗けるとともに、著者の豊富な知識も語られ、「文学入門」としても読める一冊。
※週刊ポスト2012年3月30日号