高齢者が生活や社会に対するホンネを綴った「シルバー川柳」。若い者には出せない渋い味わいと深~い笑い。込められた小さな毒さえ読む者をうならせる。全国有料老人ホーム協会に寄せられた過去の入選作から傑作を紹介しよう。
●あの世ではお友達よと妻が言い
妻にそういわれた作者の藤本明久さん(67)は、金沢市で観光関係の広告代理店を営んでいる。
「妻が笑って『あの世で通りすがっても声を掛けないでね』と。ハゲで年寄り臭く、身なりにも気を遣わないので、あの世でも一緒に歩きたくないらしい」
と藤本さんは笑う。会話もあり、日ごろガハハッと笑い合う夫婦仲だ。
一方、妻が詠む川柳は時に辛辣だ。
●厚化粧笑う亭主は薄毛症
●共白髪まっぴらごめんと妻茶髪
夫も反撃。
●健康に粗食が合うと手抜き妻
※週刊ポスト2012年3月30日号