50代男子1名と20代女子2名で開いた、「ノンアルコール宴会」。ひとり1.33リットルのノンアルコールビールを飲みきって、「もしかしたら、人間が最も大量に飲める飲料がノンアルコールビールなのでは」というのが3人の一致した意見だったという。以下、宴会を主宰した、ネット文筆家の奈良巧氏の報告だ。
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「すいません、お客さま方が全部飲まれてしまい、品切れです」。呆れた顔をした店員が、オーダーを聞いて謝りを入れてきた。
新宿東口、中村屋の向かいにある「居酒屋甘太郎」でのことだ。50代男子の私と20代女子2名で楽しんでいたのは「ノンアルコール宴会」。ひとり税込み2500円で料理9品とウーロン茶、ジュース、ノンアルコールビールが2時間飲み放題だ。
話題のノンアルコールビールがどれほどのものか、一度しっかりと飲んでみたいと思い「サントリーオールフリー」を飲みまくっていた。
何か変かなあ、と思ったのは最初の一杯くらい。「いやー、飲めば飲むほど違和感ないない」「ゲップすると、ちゃんとビールのゲップになるよ。ほら、げふーー」
こんなことを女子と言いあいながら、サントリー「オールフリー」に絞って飲みまくる。
手羽先唐揚げ、カルパッチョ、もち豚セイロ蒸し、ピザなど、ついついビールが飲みたくなるような料理が来るのに合わせて、ガンガンに飲みまくった。気が付くと注文本数は12本なっていた。ひとり1.33リットルという数字だ。
13本目を注文しようとしたところで、冒頭店員の謝罪セリフとなったわけだ。
1)酔っ払わないから、たくさん飲める。
2)カロリーゼロなので、いくら飲んでも太る心配がない。
3)炭酸が胃に優しく、料理と一緒に飲むとバンバン飲める。
これが20代女子の感想。
追加注文が入れられなかったので、仕方なく「ウーロン茶」「緑茶」などに方針を転換したのだが、これが驚くほど飲めない。結局ふた口ほど飲んであとは残してしまった。
「もしかしたら、人間が最も飲める飲料がノンアルコールビールなのでは」というのが3人の一致した意見だ。
そうそう、忘れてはいけない。居酒屋でなんか飲みながら、メシを食っていればテンションがあがるのは間違いない、ということ。アルコールがまったく入らない宴会だったが、テンションはいつもの宴会とはまったく変わらなかった。
違いはといえば、トイレに行く回数が少なかったということ。オシッコのにおいも臭くなかった。逆に、大人しく正気のまま電車で帰宅することができ、翌日の仕事にも差し支えなかったことを付け加えておこう。
【参考資料】ノンアルコールビール市場の最新状況
昨年の順位は、
1位)サントリー(オールフリー)
2位)キリン(フリー)
3位)サッポロ(プレミアムフリー)
4位)アサヒ(ダブルゼロ)
ここに今年3月にアサヒが「ドライゼロ」を発売し、本腰を入れてきた。キリンとサッポロは「酒好きにも受け入れられるビールっぽい濃い味」。サントリーとアサヒは「下戸にも人気のスッキリ味」。どっちが勝つか。これは壮大な社会実験だ。