毎月の携帯通信料金を少しでも節約するにはどうすればいいのか。キャリアのプランを見直したところでそうそう安くならないのが現状だ。しかし、流通ジャーナリストの金子哲雄氏はまだまだ節約する方法はあると指摘する。以下、金子氏の解説だ。
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携帯電話に関しては、スマートフォンの端末価格はほとんど下がっていない。使い放題のパケット通信定額料金も、ソフトバンクiPhoneがやや安いことを除けば、NTTドコモ、au、ソフトバンクともにほぼ横並びだ。月々のケータイ料金を節約できる余地は少ないように思えるが、そうでもない。
まず、通話料金の節約術として注目したいのは、ウィルコムが提供する「だれとでも定額」プランだ。これは、基本料(1450円~)に加え月額980円で、すべての携帯・一般加入電話への10分以内の国内通話が月500回まで無料になる、というもの。このプランに加入したPHSを通話用に、スマホを通信専用に「2台持ち」すれば、通話料金が安くなるうえ、スマホはデータ通信専用の安い料金プランを選択できるので、トータルのケータイ料金は大多数の人で安くなるはずだ。
通信費を安くしたい場合は、「SIMカード」に注目したい。SIMカードとは、携帯電話番号や契約者情報を記録したICカードのこと。日本の携帯電話は、利用できる通信会社を限定する「SIMロック」がかかっているが、昨年4月以降発売のNTTドコモの端末など「SIMフリー」対応機種であれば、他社のSIMカードを差し替えて利用できる。
SIMカードの中でも格安なのが、全国のイオン店頭で販売されている『イオンSIM』だ。最安のプランは、月額定額980円でデータ通信が使い放題。NTTドコモのFOMA回線を使用しているため、通信エリアも広く安定している。
ただし、最安のプランは通信速度が100kbpsと遅いのが難点だ。メールやツイッターを楽しむぶんには問題ないが、ウェブ閲覧やアプリ使用がメインの人は、通信速度400kbpsで月額2980円の上位プランを選ぶほうがよいだろう。
通信速度を重視する人には、『イオンSIM』の開発元でもある日本通信のSIMカードがおすすめだ。3480円(継続利用の場合は3100円)で、下り最大14Mbpsの高速データ通信が最大30日間利用できる『b-mobile 1GB定額』など、さまざまなプリペイド型SIMカードを発売している。私も、海外通販のeBay(イーベイ)で購入したSIMフリー版『iPad2』に、bモバイルのSIMカードを挿して愛用中だ。
安い定額データ通信専用プランを求める声に応え、NTTドコモも3月から、『定額データプラン128K』という新たな料金プランの提供を始めた。これは、下り最大128kbpsの3G通信を、月額1580円(2年契約時)の定額料金で利用できる、というものだ。
このように、携帯通信費を安くできる商品や料金プランが続々と登場しているが、まず必要なのは、自分のケータイの利用状況を知っておくことだ。通話がメインか通信がメインか。1か月間の通話回数や通話時間はどれくらいか。動画のダウンロードなど高速通信が必要なサービスをどれくらい使っているのか。これらをきちんと把握したうえで、料金が最もお得になる方策を考えてほしい。
※マネーポスト2012年春号