ライフ

オリンパスのデジタル一眼 屋台骨折れた会社の現場力を証明

デジタル一眼「オリンパスOM-D」を解剖

 3月31日発売予定のデジタル一眼「オリンパスOM-D」(E-M5のボディ予想実勢価格約10万円)を、ネット文筆家の奈良巧氏が、発売前に1週間試用してみた。最大の特徴は、なつかしの銘機「OMシリーズ」と酷似していることだという。以下は、奈良氏の報告だ。

 * * *
 ご存じの方も多いとは思うが、「オリンパスOM-D」は屋台骨の傾きまくった、いやぽっきり折れたオリンパスという会社の中でも、ただひとつ光る希望のようなマシンだ。経営陣が大迷走の会社でも、現場が頑張ればちゃんとした製品が打ち出せる。こういう奇跡のような事態が起きていることを教えてくれる。

 最大の特徴は、なつかしの銘機「OMシリーズ」と酷似していること。これは、この製品に昔からのカメラファンが興味を持ついいフックになっている。

 しかし、当たり前だが、製品の内容は新旧ずいぶんと異なる。

 昔の「アナログ一眼レフ」はフィルム面の前にミラーがあり、レンズを通して入って来た光を真上に上げ、そこにある5角形のプリズムで上下左右の正しい画像にして、ファインダーに表示をしていた。

 最新の「デジタル一眼」は、ミラーが無い。フィルムも無い。そのかわりにフィルムの部分には「撮像素子」がどーんと居座っている。

 この「撮像素子」に入って来た光は、デジタル信号に変換されるわけだが、このデータが、ファインダー部分の中にある、切手より小さい液晶画面に表示されて見ることができるのだ。

 最新のデジタルカメラにはこの「ファインダー」が無いものが多く、両手を突っ張ったような姿勢で本体背面の液晶を見ながら撮影しなくてはいけなかったのだが、これが老眼気味の眼には辛かった。

 この「液晶ファインダー」がまるで昔の光学ファインダーを覗いているようなイメージで使える。これが「OM-D」最大の美点だ。

 筆者所有のデジカメの液晶ファインダーは20万ドット程度だった。「OM-D」のファインダーは本体背面の液晶の真上に鎮座。なんとこの「覗くファインダー」は144万ドットある。

 もう、デジタルのファインダーか、アナログのファインダーかの違和感が消滅している。そこまで、デジタルが進化したわけだ。

 唯一、気になったのはバッテリーの持ちだ。試用機だけの問題かもしれないが、ルミックスなどに比べて明らかに持ちは悪い。しかも電池マークが「満充電」マークになっていても、1時間も撮影をしていたらいきなり「最低充電量」マークに落ちていたこともあった。

 販売当初にその不良が解消されるかどうか、その部分は注視したほうがいいだろう。現状のままだとしたら、バッテリーは2個所有して、常に満充電のバッテリーを持って歩くべきだ。

 また、レンズキットとなっている12?50mmズームレンズ(予想実勢価格3万円弱)のマクロ性能は抜群だ。暗くてばかでかいレンズではあるが、ルミックスユーザーの筆者も単体購入をしたいと考えている(レンズマウント共用なのでルミックスでも使える)。

関連記事

トピックス

3つの出版社から計4冊の書籍が発売された佳子さま(時事通信フォト)
「眞子さんにメッセージを送られているのでは」佳子さま(30)のワイン系ツイードジャケットに込められた“特別な想い”《お二人の思い出の場でお召しに》
週刊ポスト
再び頂点を掴めるのか(大谷翔平/時事通信フォト)
【MLB開幕・ドジャース連覇への道のり】早々に地区優勝を決めてもポストシーズンでの“ドジャース病”を危惧する声 ワールドシリーズで立ちはだかるのは大型補強のレッドソックスか
週刊ポスト
「W復帰」の可能性も囁かれる(時事通信フォト)
《ダウンタウン“W復帰”の可能性》浜田雅功の休養が松本人志のネット復帰計画に与える影響は?「夏頃にはコンビとしてアクションを起こすのでは」との指摘
週刊ポスト
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵容疑者(62)
【独占入手】女占い師の自殺教唆事件で亡くなった男性の長男が手記「200万円の預金通帳を取り上げられ…」「学費と生活費をストップ」、さらに「突然、親子の縁を切る」 警察に真相解明も求める
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《前代未聞のトラブル》八代亜紀さん、発売予定の追悼アルバムの特典に“若い頃に撮影した私的な写真”が封入 重大なプライバシー侵害の可能性
女性セブン
旭琉會二代目会長の襲名盃に独占潜入した。参加者はすべて総長クラス以上の幹部たちだ(撮影/鈴木智彦。以下同)
《親子盃を交わして…》沖縄の指定暴力団・旭琉會「襲名式」に潜入 古い慣習を守る儀式の一部始終、警察キャリアも激高した沖縄ヤクザの暴力性とは
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
《男性2人に自殺教唆》自称占い師・濱田淑恵容疑者が被害者と結んでいた“8000万円豪邸の死因贈与契約” 被害者が購入した白い豪邸の所有権が、容疑者の親族に移っていた
週刊ポスト
キルト展で三浦百恵さんの作品を見入ったことがある紀子さま(写真左/JMPA)
紀子さま、子育てが落ち着いてご自身の時間の使い方も変化 以前よりも増す“手芸熱”キルト展で三浦百恵さんの作品をじっくりと見入ったことも
女性セブン
被害者の「最上あい」こと佐藤愛里さん(左)と、高野健一容疑者の中学時代の卒業アルバム写真
〈リアルな“貢ぎ履歴”と“経済的困窮”〉「8万円弱の給与を即日引き落とし。口座残高が442円に」女性ライバー“最上あい”を刺殺した高野健一容疑者(42)の通帳記録…動機と関連か【高田馬場・刺殺】
NEWSポストセブン
ビアンカ・センソリ(カニエのインスタグラムより)
《あられもない姿でローラースケート》カニエ・ウェストの17歳年下妻が公開した新ファッション「アートである可能性も」急浮上
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
〈50まんでおけ?〉高野容疑者が女性ライバー“最上あい”さんに「尽くした理由」、最上さんが夜の街で吐露した「シンママの本音」と「複雑な過去」【高田馬場刺殺事件】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
NEWSポストセブン