日本球界の“最高傑作”ダルビッシュ(レンジャース)の七色の球筋が並み居るメジャーリーガーを唸らせている。カーブ、スライダー、シンカーほか10種類以上にも及ぶ球種。なかにはダルビッシュしか投げられない魔球――ワンシームもある。
「ワンシームとは指先をシーム(縫い目)にかけず、人差し指と中指を1本のシームに添わせるようにして投げるシュート系のボール。主に右打者のインコースに投げ込む球で、高めは打者の手元に伸び、低めは膝下へ喰い込むように落ちる。ストレートの最高速とほぼ同じ150km前後のスピードが出る信じがたい球です」(在米ジャーナリスト)
登板後、ダルビッシュと対峙した捕手や打者に確かめるように球種を質問する米メディア。これは松坂大輔(レッドソックス)をはじめとする日本球界の至宝たちがメジャーに挑戦する度、見られる光景だ。
3月19日のオープン戦ではツーシームを多投し、こう自信をみなぎらせた。
「すごく変化していたので、(打者が)嫌がっている感じだった」
※週刊ポスト2012年4月6日号