発売4日間で世界で300万台を売るヒットとなっている新型「iPad」。発売日以降、米アップルの株価も急騰し、それまでの500ドル台から遂に600ドルを突破。時価総額も約5600億ドル(約47兆円)と世界最大で、まさに一人勝ちの様相を呈している。
このiPad、中国では商標登録を巡って裁判沙汰にもなっているが、「実はそんな中国にもアップルの株価上昇の恩恵を受ける要注目銘柄がある」というのは「中国株投資のカリスマ」として知られる戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)である。以下、戸松氏の解説だ。
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アップルの目標株価を700ドル以上に引き上げた米国人アナリストが6名もいますが、私もそこまで行っても不思議ではないと見ています。というのも、現在、同社のPBR(株価純資産倍率)は5倍弱。同社の財務内容からすれば6倍程度まであってもおかしくなく、ここからの一段高も視野に入ります。
そんなアップルに部品を提供する有力メーカーが中国にもあり、なかでも以下の2社は投資対象としても有望と見ています。
まず1社目が、アップルのサプライヤーリストにも名を連ねる「瑞声科技(AACテクノロジー=香港・02018)」。同社はスピーカーやマイクロホンなどの小型音響部品を『iPad』や『iPhone4S』向けに提供するほか、ノキア、サムスン、アマゾンの『キンドル・ファイア』といった世界中のスマートフォンやタブレット向けに提供しており、なかでもアップルが最大の取引先となっています。
今後世界中で普及が見込まれるスマホやタブレットメーカーにとってなくてはならない存在であり、アップルの成長はもちろん、今後どのメーカーが台頭したとしても、その恩恵を受ける可能性が高い。株価は過去最高値を更新したところですが、ここからいったん調整したとしても、そこから一段高を演じるというシナリオは十分考えられるでしょう。
そしてもうひとつが、LEDバックライトを手がける「峻凌国際(リージェントマナーインター=香港・01997)」です。同社は台湾系の半導体メーカーですが、中国本土で生産を行なっており、iPadの液晶を照射するバックライトが主力。ただ、同社はアップル認定の直接的なサプライヤーではなく、間接的にOEM生産工場として部品を製造しているため、これまでは認知度が低く、地味なイメージが強い。そのため、株価的にも割安に放置されてきました。
とはいえ、これまでのiPadでは1台につき1個しか使用されなかった同社のLEDバックライトが、新型iPadでは2個に倍増するため、同社の売り上げもiPadが売れれば売れるほどさらなる上積みが期待できます。まだまだ注目度が低い今だからこそ、絶好の仕込み時といえるのではないでしょうか。
成長率が鈍化するなど中国の経済成長を懸念する声も高まっていますが、こうして目を凝らせば、まだまだ目が離せない銘柄が数多く眠っているのです。