9年に及ぶ事実婚状態を経て2003年に入籍した東ちづる(51才)と堀川恭資さん(48才)。挙式も披露宴も指輪の交換さえしなかったふたりは、それから6年後の2009年8月、挙式代わりのウェディングパーティーを開いた。幸せの絶頂にいたふたり。しかしこのとき夫の体は病魔に蝕まれていた。
病名は「ジストニア痙性斜頸」。首の筋肉が緊張してしまい、痙攣したり左右に傾いてしまう病気だった。
発見しにくい病気であるため、病名がはっきりするまで1年以上もの時間がかかったという。その間、いろいろな病院をふたりで回り続け、病名がわかってからも葛藤は続いた。
正式な病名を知ったのは、異変を感じてから1年半もたった2010年の夏ごろだった。堀川さんの主治医、東京女子医大神経内科の大澤美貴雄准教授がこう説明する。
「痙性斜頸は筋肉の異常な緊張により姿勢異常をもたらすジストニアという病気のひとつ。首の筋肉が本人の意志とは無関係に緊張することで、首が斜めに傾いたり、回旋してしまう病気です。最悪の場合、顔が正面に向かず、真っ直ぐ歩けなくなることもあります。原因はまだはっきりしておらず、完治の難しい“難治”の病気とされてきました。私のところに来たとき、堀川さんは歩くことが全くできず、車椅子でやっと移動できる状態でした」
現在、堀川さんは担当医も驚く回復を見せている。
東は次のように話す。
「いまはもう軽い散歩をしたり、運転だってできるようになったんです。バランスボールを使ったリハビリもやってるんですが、健康な私でもできないような複雑な動作もできるんです(笑い)。先生もびっくりしていて『あなたは最重症患者だった…』とおっしゃっていました。こうして病気が改善していく秘訣は、もちろんいろいろ複合的なものだとは思います。でも特に大切なのは、周囲と話し合うこと。病気で制限されてしまうことは多いですから、ストレスをためないためにも…。最近はだいぶよくなったし、3年ぶりに温泉に行こうって話もしているんですよ」
※女性セブン2012年4月12日号